英語・中国語を話せるようになるためにはどうすればいいですか?と質問いただくことが増えました。特に、英語に関しては、「中学校・高校で習ったのに話せない」「アプリや動画で勉強していたけれどつまらない」「苦手意識がある」「コンプレックスがある」と否定的な言葉が続くことが多いです。
そこで、英語・中国語を話せるようになるためのヒントを考えました。ひとつでも何か心に響くことを祈ります。
今のこころの状態を把握する
語学はダイエットと同じで、毎日の心がけと積み上げが大切です。しかし、英語や中国語に対して否定的な気持ちになっていると、話すどころではなくなってしまいます。
どうして英語・中国語をを話したいのか、何が悩みになっているのか、何につまづいているのか、明確にしていきましょう。紙に書き出すことをお勧めします。その時に注意するポイントは以下です。
ポジティブな言葉を使う
「どうせわたしなんて…」「自分がやったって…」といった自己批判は止めましょう。学び始めるのに遅すぎることはありません。人生で、今、この瞬間が一番若いのです。「今、英語・中国語を話せたらこんなことができる」「将来、英語・中国語を話せるようになったら、こんなことをしてみたい」とポジティブな言葉で自分の心を満たしましょう。
夢物語で構いません。夢物語を描けないほど心が弱っているときは、人の力を借りることをお勧めします。
自分に優しくなる
こころの状態を把握するときは、ありのままの自分をそのまま受け入れましょう。甘やかすこともなく、厳しすぎることもなく、そのままです。「英語・中国語を話したいけれど、何をしていいかわからない」「英語・中国語を習ったけれど、口から出てこない」など、客観的に自分を見つめます。決して評価する必要はありません。
目的を考える
自分がどうして英語・中国語を話したいのか、英語と中国語をとりまくご自身の状況から目的を見つめていきます。話す機会があるのに話せないのがもやもやするのか、話す機会がないけれど話してみたいのかでは、アプローチが全く異なってきます。「国際協力」「ビジネスで使う」なんて大それた目的がなくても大丈夫。「かっこくよく見られたい」「いろんな人とコミュニケーションを取りたい」でも大丈夫です。
ここでも、もし可能ならば、手で紙に書き出してみましょう。パソコンでもスマホでも構いませんが、ここでは手を使った方がよいと思います。「う…書けない」「ペンが動かない」とご自身で客観視できるからです。もしくは人に話しても構いません。英語・中国語を話せるようになるのは、大変長い道のりです。苦しいこともあります。そんなときに、自分がいつでも初心に戻ってこれるためです。
目的が出てこなかったら、「なぜ、英語・中国語を話したいと思ったのか」きっかけまでさかのぼってみましょう。
具体的な目標を立てる
目的を達成するための目標を立てていきます。ここでのポイントは、できる限り細かく、具体的に、今の自分でもできることを目標に設定するほうが達成しやすいです。あいまいな目標ではなく、具体的な目標を設定しましょう。例えば、「3ヶ月でTOEICで300点アップする」「中検3級に合格する」や「今年中に、外国人のお客さまに英語・中国語を使って話しかける」などです。
なかなか目標が定まらないときに役立ちそうなポイントを紹介します。
自分の興味や目的を考える
なぜ英語・中国語を学びたいのか、どんなことに興味があるのか、自分の目標や夢、目的に英語・中国語がどう関連するかを考えましょう。まとまっていなくても構いません。「なんとなく、必要そうだから」ではなかなか厳しいです。こじつけもダメです。「推しの話す英語・中国語を聞き取ってみたいから」でも大丈夫。自分に素直になりましょう。
自分が今、使える、できることか
目標を定めるときは、できるだけ自分が今、できることに沿った方がいいです。TOEIC300点アップといってもTOEICの試験を受けるのが大変ということでは、目標にはなりえません。自分がこれだったらできそう、という目標を立てましょう。
頑張りが自分でわかる・褒めてもらえる
モチベーションを上げるためには、頑張りが自分でわかったり、褒めてもらえると、目標達成がしやすくなります。「週に3回以上」「1回10分以上」など、具体的な数字で報告できるような目標にするのもおすすめです。
目標達成に失敗したら…!?
せっかく具体的に目標を立てても、日々の忙しさのせいで、達成できないこともあります。そんなとき、あきらめてしまうのはもったいないです。
目標が達成できないときの対処方法を挙げておきます。
失敗は学びのチャンス
目標達成できなかったのは自分のせいではありません。「その目標は無理だった」ということを学ぶ機会なのです。どんなことがうまくいかなかったのかを理解し、次に活かすことができます。
それに、だれもが最初から完璧な目標を設定し、達成できるわけではありません。今、英語・中国語をペラペラに話している人たちだって、何度も失敗し、今の実力を築いています。失敗は成長の一環です!
まず、新しい目標に挑戦した自分をほめてあげましょう。そして、それは新しい冒険に挑戦した証拠だと気持ちを切り替えましょう!
一人で悩まない・自分を責めない
失敗しても一人で悩まず、友達や先生に助けを求めましょう。このとき、アドバイスをくれる人ではなく、ただ聞いてくれる人を選ぶのがポイントです。「○○したけれど、うまくいきませんでした」と伝えてみましょう。解決策はたいてい、ご自身のなかにあります。頭ごなしにアドバイスをくれる人、あなたの頑張りを否定する人には話す必要はありません。なぜなら、あなたは今、失敗から学んでいるからです!
目標をダウンサイズする
もしかしたら、目標が今のあなたには大きすぎたのかもしれません。もっと小さなステップに分けられないか、もっとハードルを下げられないか、考えてみましょう。止めなければ、必ず一歩ずつ進むことができます。小さな成功体験が積み重なると、大きな目標も達成しやすくなります。
私の話
目標設定に悩む
偉そうに記事を書いてきましたが、実はわたしは英語の学習目標が定まらず、5年以上迷っていました。中国語もHSK6級合格後、学習目標がまらず、3年ぐらい迷っていました。悩みも深く、トンネルに入っていたような状態でした。
わたしは英語コンプレックスの記事でも書いたように、自己肯定感が著しく低いです。ですので、どなたか伴走してもらえるような目標を立てました。自分だけで学習していると、つい、「自分はまだまだ」「こんなんじゃだめだ」と自己否定に走ってしまうのです。かといって、学習グループに入ると、「自分はみんなと比べてダメだ」「自分はついていけていない」と、今度は他人と比較して自己否定に陥ってしまいます。
このため、わたしは、「誰かに頑張りを認めてもらえるけれど、比較評価はされない」「自分がやったことに対してフィードバックが返ってくる」という目標を立てる必要がありました。
悩み抜き、悩み抜き、英語では「外国人に日本を紹介できるようになる」、中国語では「外国人として中国語ネイティブに聞き取りやすい発音をする」に定めました。TOEICのテストや、中国語検定など点数が付く目標は、もう嫌だったのです。
具体的には、全国通訳案内士(英語)合格、中国語発音指導士合格としました。
目標設定後
具体的な目標のおかげで、全国通訳案内士(英語)は1年で一発合格、中国語発音指導士も1回で認定を取得しました。
「じゃあ、英語と中国語が話せるんですね!」とお思いの方。残念ながら、実は、今、英語や中国語を話す機会はあまりありません。では、過去に立てた目標が無駄だったかというとそうではありません。
今、わたしは、英語について「月5件以上、インバウンド系観光記事の英訳チェックをする」という目標を立てています。ありがたいことにIT企業からお仕事をいただき、2023年9月から3か月間、目標を達成できています。「外国人に日本を紹介する」は形を変え、私の現在の目標とつながっています。
中国語は「中国語ネイティブ講師との会話・発音レッスンを月2回受け、生徒さまへの発音指導に生かす」という目標を立てています。おかげさまで中国語発音レッスンを開講させていただき、常々お話しする機会がありうれしいです。
なぜ過去の目標は達成できなかったのか
わたしは、特に英語は過去の目標は達成できませんでした。なぜならば、私が立てたのは、他人から借りてきた、いわばうわべだけの目標で、自分の心の奥底から出てきたものではなかったからです。
恥ずかしいけれど、うわべだけだったことが分かるように、こちらに例を貼っておきます。他の人の目標を借りただけで、自分のありのままを認めず、自分の興味や好きなこと、ビジネス上で使う英語とも結びついていない。
これでは目標達成どころではありません。さらに、わたしはこの後、どんどん英語コンプレックスをこじらせてしまいました。その場を取り繕うような、きれいごとではダメなのです。
「NHKゴガクを続けてるよ」「単語帳を作ってるよ」「シャドーイングしてるよ」と聞けば、それを真似しました。「資格試験を目標にするといいよ」と聞くと、TOEICを必死に勉強しました。結果は、点数はリーディングはいいけど、リスニングは悪い。学生時代と同じでした。「翻訳が英語力アップにいい」と聞けば、翻訳会社の通信教育を受け、検定を受けました。検定の結果は、「基礎力はあるが、翻訳の商品としては販売できるレベルではない」でした。「話したいなら、話す練習をすればいいよ」と聞けば、オンライン英会話も試しました。フィリピン人の先生は優しく、楽しかったですが、続きませんでした。
Eicoacademyブログ「英語コンプレックス克服体験記‐その後に見えた世界は温かく、広かった」より
友達を作るアプリがいいと聞けばすぐに登録し、チャットや会話、投稿をがんばりました。
英作文添削サービスも2社入会しました。毎週1回以上提出して添削をプリントアウトしてチェックしました。そこまでやっても、英語漬けになっても、まったく英語が上達した、と思えませんでした。
まとめ
海外赴任、留学、海外移住など、明確な期限や目標がない場合に、英語・中国語を話せるようになるには、まずこころの準備が必要です。わたしは上記に書いたように、うわべだけの目標を立て、失敗し、遠回りしました。
ポイントは今の自分をそのまま認める、素直になる、そして自分を肯定するということに尽きます。
わたしは一人で取り組んだので英語コンプレックスになってしまい、克服に10年以上かかってしまいました。でも、わたしでも今は具体的な目標を立て、進むことができているのです。
みなさまも、ぜひ、新しいご自分に出会える、英語・中国語を話せるように一歩を踏み出せると信じています。もし、おひとりでは難しいということであれば、わたしがお付き合いします。お気軽にお声がけください。