言語習得の舞台裏:英語と中国語同時学習における発音の相互影響を解説

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日本では外国語と言えば英語。中国語を学んでいるかたの中には英語も学んでいるというかたもたくさんいます。わたしの生徒さんは、どちらかというと、英語を学んでから中国語を学んだかたのほうが、中国語を学んでから英語を学ぶ方より多い傾向にあります。

英語、中国語以外にも世の中にはたくさんの言語がありますよね。複数の外国語を同時に学んだときは、発音は混ざってしまうのでしょうか?影響はあるのでしょうか?

目次

この記事を書いたきっかけ

英語の先生である生徒さんから、「中国語を学び始めてから、自分の英語の発音に違和感を感じるときがある」と相談を受けました。そこで、多言語学習の多いTwitterで、質問を投げかけてみました。

ご回答いただいたのは下記の言語を学ばれているかたがたです!この場を借りてお礼申し上げます。世の中、複数の言語を学ばれているかたって結構いらっしゃるんですね!

  • 中国語・英語
  • 広東語・台湾語
  • 広東語・中国語(普通話)
  • 英語・日本語(中国語ネーティブの方)
  • 英語・ロシア語
  • 英語・フランス語
  • 英語・インドネシア語
  • ポルトガル語・スペイン語

結果

多数派「混ざる」

発音だけ混ざるという方、綴りも混ざるという方、単語も混ざるというかた、さまざまな意見が寄せられました。

5か国語以上学ばれているかたからはこんな貴重なコメントがありました。

中国語ネーティブのかたから、英語が日本語っぽくなってしまう、というコメントもいただきました。興味深いものです。

初級のころにいっしょに習った結果、混ざってしまい、両方できなくなってしまった、というコメントも寄せられました。複数の言語を学んだことがなければば、なんとも羨ましい悩みですね。

少数派「混ざらない」

「混ざりません」「ありません」というコメントもありました。いわゆる、バイリンガルのかたからのコメントだったので、頭の中や言語を使う場面がきっちりと分けられているのかもしれませんね。

番外編「相手による」

面白かったのは「相手による」というもの。確かに、この人とはこの言語で話す、と決めていたり、この場ではこの言語で話す、と決まっていたら、その場その場で切り替えられるのかもしれませんね。

複数言語を学ぶことはムダなのか?

どれも完ぺきにしようと思うと時間がかかるかもしれませんが、わたしは個人的に複数言語を同時に学ぶことはムダだとは思いません。
最初は混ざるけれど、習得するにつれて切り分けられていくからです。英語と中国語の先生からもこのようなコメントが届きました。

異なる言語を学ぶことは、世界を広げてくれることは間違いありません。

もし同時に複数言語を学いらっしゃったら、どーんと背中を押します!

しかし、多言語の影響を受けたくない場合はどうすればよいのでしょうか?

混ざってしまうときの解決方法

時間を分ける

こちらの英語の先生は、英語を話す前には中国語を話さないようにしているそうです。

許容できる音を決める

中国語の発音は、声調が合っていれば、子音がずれていてもある程度通じます。そこで、英語の発音でも通じるところは、英語の発音で代用してしまうのです。発音を極めたい!というのでなければ、許容できる音を決めても、十分レベルアップは可能です。

1つを伸ばす

どちらかを大きく伸ばしてから、もう一つ目の言語の学習を始めます。マスターしてからだと、ハッキリと区分けができているのかもしれませんね。

ただ、一つの外国語をマスターしないと、いつまでたっても次の言語の学習を始められない、ということにもなりかねない点はご注意いただきたいです。

定期チェックで影響を把握する

一番、現実的な方法です。発音チェックや音読レッスンを定期的に受け、発音がずれてきていないか、第三者の耳で確認してもらうのです。もし他言語の影響があったとしてもショックを受ける必要はありません。どこに影響が表れやすいのか自分自身で意識しておくと、他言語の影響を和らげることができます。

わたしの経験談

わたしは英語を長く学んでから、中国語を学びました。英語はそこそこできたかもしれませんが、マスターした、とは決して言えないレベルでした。

中国語を学んだときは発音も、つづりも、文法も英語の影響を受けていました。「英語の影響があるね」なんて言われたら大喜びでした。今となっては「英語がカッコいい」という無条件の刷り込みがあったと自覚しています。

世の中には英語と中国語は一気に学べるという考えもありますが、発音に関しては、そうでもないと思っています。

英語と中国語は発音もリズムも異なっています。こちらの動画をご覧いただくと、少しその違いが感じられるかもしれません。

ケンドラ・ランゲージ・スクール

わたしは、英語でついた発音の癖を修正するのに苦労し、最終的には、思い切って英語の発音をある意味捨て、中国語の発音一筋で行くことにしました。なぜなら、英語は発音の幅が広く、多少のブレがあっても堂々と、文法通りに話していればある程度通じるからです。中国語は、声調が合っていなければ全く通じないですし、「あ~⤴!?」と言われてしまいます。

わたしは英語より中国語のほうが発音トレーニング歴は長いです。でも、作文力や発話力は圧倒的に英語のほうが中国語より上です。このため、全国通訳案内士は英語で取得しましたし、日本の観光案内は当面、英語だけの予定です。

ことばが通じるかどうかは、文法や声の大きさなど、発音以外の要素も関係しています。

発音講師が言うのもなんですが、発音が混ざっても、文法が混ざっても、大丈夫。

もし、中国語の発音を学びたいけれど、他の言語への影響が心配…というかたはぜひご相談ください。いっしょにあなたに合った解決方法を考えていきましょう。

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