外国語学習サイトを見ていると、「ネイティブ並み」「ネイティブレベル」ということばをよく見かけます。高い目標もモチベーションアップに大切ですが、ネイティブいうのは、初心者にとって気が遠くなるほど遠い目標です。初心者のうちは一歩一歩、小さな目標を達成していくことも、モチベーション維持に必要です。
そこで、中国語のうまい日本人として、石川佳純さん、小島瑠璃子さん(こじるり)さんの中国語を参考にして、コツをつかむ方法を紹介します!初心者が今後の学習の参考にできるポイントが詰まっています!
中国語のうまい日本人①「石川佳純さん」
中国語のうまい日本人と言えば、卓球選手が代表ですね。
そこで、最近話題になった「石川佳純選手」の引退会見をご紹介します。
※リンクをクリックすると、ちょうど中国語をお話しされているところから始まります。
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参考にできるポイント3つ
発音の美しさ
中国メディアからも、中国語教師からも、絶賛の嵐だった「発音の美しさ」。中国語の共通語である「普通話」でお話しされていました。くせや方言もなく、非常に聞き取りやすく感じました。
中国は他民族国家で国土が広いため、中国人同士でも、方言が強いとと聞き取れない、ということもあります。また、中国のかたは、日本人が中国語の発音をなかなか習得できないということも知っています。
このため、石川佳純さんが「美しい発音」で中国語を話したことは称賛の嵐になりました。
発音の美しさはこんなポイントからも伺えました!
- 単語単語の声調が合っている
- 一つ一つの音がはっきり聞こえる
- 音の高さ、長さがそろっている
- 一文全部息がつながっている
シンプルな単語
石川佳純さんの中国語は、いつも非常にシンプルです。その分、強く、しっかりと心に響きます。
たとえば、最後のフレーズ。
「非常开心 非常感谢」fēichángkāixīn fēicháng gǎnxiè とても楽しかったし、たいへん感謝しています。
すべて初級で出てくる単語ですが、いざ話そうと思うと、「え?非常って…!?」と、すっと口から出てこないものです。
シンプルな単語を自然な発音で、一音一音しっかり発音しているので、心に響きます、
ナチュラルなつなぎ言葉
石川佳純さんのインタビューのなかで、繰り返し、このフレーズが出てきます。
「就是jiùshì」
実際の会話でもよく使われる、いわば「つなぎ言葉」です。前に言ったことを少し詳しく説明したり、次に話す内容を考えている間をつないだり、万能のつなぎ言葉なのですが、石川佳純さんはうまく使いこなしておられます。
短いため、すぐに会話で取り入れられそうですね!
なお、インタビューの文字起こしや詳しい文法解説は、中国語雑誌として定評のある「聴く中国語」出版社の愛言社の下記ページに掲載されています。非常に詳しいので、合わせてご覧ください。
中国語のうまい日本人②「小島瑠璃子さん」
今年2月に中国留学を発表した「小島瑠璃子さん」。中国!?中国語!?と話題になりました。
先日、インタビューで日本で学ばれたという中国語を披露してくださいました。
参考にできるポイント3つ
小島瑠璃子さんは、今年から中国語を学び始めたということで学習歴は石川佳純さんよりずっと短いです。しかし、初心者が学べるところはたくさんあります。
安定した発音
石川佳純さんと同じく、とても聞き取りやすい中国語の共通語「普通話」の発音です。
特筆すべきは、声調が安定していること。声の高さの幅が一定なので、安心して聞いていられます。
基本文法通りの短文
一文一文が短く、「基本文法に沿った文」を話しています。
例えば、上記のYouTubeの中国語から一文を紹介します。
我的汉语现在不好。Wǒ de Hànyǔ xiànzài bù hǎo. わたしは中国語が今うまくありません。
文法的には、主語(名詞)+時を表す副詞+否定+形容詞 という並びになります。
難しいことを考えなくても、基本文法ルールに沿って、単語を短く並べれば、中国語は通じるのです!
わからないことに素直な姿勢
小島瑠璃子さんがインタビューの途中、とある単語で混乱してしまいました。そのとき、素直に間違いを認めておられ、正しい単語を確認されていました。小島瑠璃子さんの語学に対する謙虚で真面目な姿勢がうかがえました。
初心者のうちはわからないことだらけです。外国語を学ぶ以上、一生わからないことがなくなることはないかもしれません。それでも、勇気を持って外国語を使い、間違えて覚えていこうという真摯な姿勢を感じました。
小島瑠璃子さんがなぜ中国語を学習したのか、愛言社の「聴く中国語」に掲載されています。よかったらご覧ください!
わたしの体験談
わたしも、中国語のうまい日本人を真似しようとしたことがあります。しかし、ただ真似をするだけでは、うまくいきませんでした。
というのは福原愛さんのように、小さなころから中国に留学し、中国語母語話者と恋愛経験もあるかたを目標にしようとしてしまったからです。結局、身近な目標ではなく、わたしにとって意味がありませんでした。福原さんの中国語はネイティブレベルですが、方言も強めで、初心者がマネするような存在ではなかったと反省しています。
たとえるなら、これから日本語を学ぶかたは、いきなり方言を学ぶより、少し標準語を学んだ方が通じやすい発音を身につけられますよね。基本の土台が大切なのです。
結局わたしがわかったことは、中国語の上手な日本人からエッセンスを取り出し、そこをまねるとうまくいくということでした。
このブログでは「発音」「シンプルな単語と文法」「謙虚な心」を取り上げました。あなたは何を参考にしますか?
まとめ
外国語上達のためには一歩一歩階段を上っていく必要があります。
どうしてもネーティブを見ると
「あのレベルには近づけない」
「自分には無理」
と思ってしまうのも無理はありません。
そこで、うまくなった日本人の出番です。もしかしたらあなたと同じように発音で悩み、文法で悩み、検定試験の問題にげんなりしたことがあるかもしれません。中国語の勉強をやめようと思ったことがあるかもしれません。
もし中国語学習者の日本人に体験談を聞く機会がありましたら、ぜひ耳を澄ませてみてください。きっと参考になるヒントが隠れているはずですよ。
石川佳純さん、小島瑠璃子さん、まわりの中国語学習者の方、やっぱりちょっと遠い存在だ、参考にできない…という場合は、日本にいながら中国語を学んだわたしもお力になれるかもしれません。ご相談お気軽にどうぞ。