外国語学習に効果絶大な音読。ただやみくもに読めばいいのではなく、ゆっくり、ステップを踏んで音読するとさらに効果が期待できます。今回は、音読教材の選び方と、おすすめの音読テキストを紹介します!
音読の方法については詳しくは下記でご紹介していますので、よかったら合わせてご覧ください。
音読テキストの選び方
1.音声が付いている
モデル音声録音が付いているものがベストです。ない場合はネーティブのかたで標準語に近い方や先生に読んでもらい、音声を録音して繰り返し聴くとよいでしょう。
2. スクリプトがある
音読では文字を見て読んでいきますので、スクリプトがあることが必須です。
3. 日本語訳がある
超上級者なら中国語だけで意味が理解できますが、やはり、日本語訳があったほうが理解を助けてくれるでしょう。
4.ピンインが付いている
音声を文字で書き表したピンインが付いていると便利です。読み間違いを防げます。
5.自分ができそうと思える
音読は背伸び不要です。完ぺきに意味が分かる、一文に知らない単語は一語だけぐらいのレベルがよいでしょう。
おすすめの音読テキスト
初心者さんも安心なテキストを3つ紹介します。
◆NHK出版CD BOOK 超短文で話せる!ラク覚え中国語 高木 美鳥 著
イチオシです。A4判で、書き込みしやすく、例文もたっぷり収録されています。ピンインが大きくて音読しやすく、解説もあります。音声がダウンロードできます。
eicoacademyの音読会&音読レッスンで使用しているテキストです。生徒さんたちも楽しく練習しています!
◆リズムに乗ってみるみる身につく 新発想・中国語の発音 陳莉、 董琳莉 著
初心者、発音を学び直したい方におすすめです。中国語発音指導士会®の公認レッスンテキストです。
絵本のようなかわいいイラストと、簡単な文ですぐに中国語の音を楽しめます。サイトから音声がダウンロードできます。
中国語を始めたばかりのかたも「文が言える」ようになる。発音練習を楽しめるというコンセプトどおりの本です。
発音解説のコーナーもありますが、ちょっとわかりにくい表現が使われているところもあります。独学より、先生といっしょに練習するときに適したテキストと言えるでしょう。
◆はじめよう中国語音読 初級編 李 軼倫 著
音読テキストとして画期的!意味のかたまりごとに区切りが入っていて発音練習しやすいです。音声は李 軼倫先生!スピードが速い音声とゆっくりな音声のものが収録され、模範音声も工夫されています。
使われている単語はやさしいものが多いですが、一文はやや長めです。初めて音読されるかたは区切って読むことをお勧めします。中級以上の方でも十分カバーできます。
猛者のかたたちは、「晒して伸ばす」と、この本の音読録音をTwitterでアップされていることがあります。日本人のかたの他の発音を聞ける貴重な機会なので、ぜひ見つけたら聴いて見てください!何か気づきがあるかもしれません。
◆中国語解体新書 丸尾 誠 著, 李 軼倫 著
「語彙、文法、読解、リスニング強化が1冊でできる!」ことがウリの本です。中国語検定3級程度までの文法事項がすべてカバーされています。
180編ついている文の内容がとにかく面白くて、音読しているうちに文法もカバーできます。文の区切りは入っていませんが、モデル音声もバラエティに富み、聞いていても飽きません。
わたしは、この本を音読し、1冊ディクテーションし終えました。さらに2周目もディクテーションしようか、と思っているぐらいお気に入りです。
- 文章の内容が面白いです
- 基本語彙をカバーしています
- 文法の基礎を総復習できます
- 80文字前後と、文章が比較的短いです
- 180編の文章が含まれているので、じっくり取り組めます
「中国語解体新書」は、すべての文にピンインが振られていませんので、正確に発音がわからない単語は自分で調べる必要があります。音声はCD付です。
4冊使ってみた感想
すべてのテキストを使ったことがあるのですが、もし迷われるようでしたら、「NHK出版CD BOOK 超短文で話せる!ラク覚え中国語」 高木 美鳥 著をお勧めします!現地らしい言い回しがたくさん収録されていますし、シンプルな紙面で余白がたっぷりあり、ピンインも見やすいです。
「リズムに乗ってみるみる身につく」は、子ども向けの文章が多いので、「この文、一体いつ使うんだろう…?」と思ってしまうかもしれません。(わたしはちょっと感じてしまいました)
「はじめよう中国語音読 初級編 李 軼倫 著」は良書で、まさに音読のためのテキスト。自然な文章で、一文に含まれている単語が多く、ちょっと難しいです。この文をすらすら読めるかたは、すでに初級ではありません!つまり、レベルの高い方も満足できるテキストだと言えるでしょう!
「中国語解体新書」は本文が180編あり、買ったら長く使えるのが特徴です。1冊買ってじっくり取り組みたいかたにおすすめです。
音読の進め方
負荷をかけるため、ディクテーションをしてから、音読しています。ディクテーションとは、音声を聞いてから書きとっていく練習方法です。中国語では「听写tīngxiě」と言います。
中国語はすべて漢字なので、書くのは大変ですが、ディクテーションしてから音読すると、記憶に定着しやすいです。そして、ひとつの文章をノーミスで書きとれたときは達成感があります!
中国語と日本語で同じ漢字だとすっと書けるのですが、繁体字や簡体字で字体が異なると、思い出すのに時間がかかることがあります。脳に負荷がかかっているということ。
クイズのようで、取り組んでいて楽しいです。
もし、中国語の漢字を書くのが大変だということであれば、ピンインで書きとるという「拼写pīnxiě」もOK!音読がマンネリ化したときは、ぜひやってみていただけたらと思います。
まとめ
発音の練習には欠かせない音読。音やピンインがわかるようになったら音読でリズムを確かめていきましょう。
音読テキストだけだと、どの場面でそのフレーズを使うのかイメージしにくいもの。ドラマやYouTubeなどで実際に使われている場と照らし合わせたり、中国語ネーティブのかたに質問したりするすると、音読の効果が上がりやすいですよ!