プロフィールで紹介していますように、わたしは発音矯正に時間もお金も費やしました。結果、中国語の発音自体が問題で通じないことはずいぶんと減りました。
ただ、中国語の発音レッスンを開講するようになってからも、実は自分自身の発音には悩みは尽きません。「どこまで練習しても、中国語ネイティブにはなれない」のに「これ以上発音を向上させる必要はあるのか」と悩むようになりました。
しかし、先日、発音習得のステップを振り返り、自分自身を振り返ることで、この悩みがスパッと解決しました。
中国語の発音にお悩みのかたに、ぜひ参考にしていただけたらと願い、ブログに記します。
発音習得のステップ
発音に悩んだときは、まず基本に戻りましょう。発音習得のステップは人それぞれですが、おおよその流れを紹介します。
1.基本を覚える
(1)一つ一つの音を練習/復習する
中国語を始め、語学の発音練習は、おおげさなぐらい大きな口を開けて、大きく顔を動かして発音を説明します。その理由は主に3つあります。
日本語を話す時に、舌の位置や口の形を意識される方はほとんどいません。外国語を話すときには新たな筋肉を使うことになるため、改めて大きく舌や口を使っていくと近道なのです。
口を大きく開けて発音すると、自然とゆっくりなスピードになります。ゆっくり話すと相手にも伝わりやすい利点もありますね。
一度習ったことのある方も、もう一度一つ一つ大きな口を開けて発音すると、意外なことに気が付いたりしますのでぜひおすすめです。
(2)ピンインを覚える/復習する
中国語の漢字のフリガナともいえるアルファベット、ピンイン。一つ一つどのような音なのか覚えます。わからなくなっても大丈夫。なんども繰り返し復習することで、次第にピンイン通りに読めるようになります。
ピンインをもう覚えたよ!というかたも、quanとchuuanが同じ文章に出てきたら迷う、ということもあったりします。ぜひ復習してみて下さい!
基本の学び方については、下記に詳しく紹介しましたのでよかったらご覧ください!
2.基本を定着させる
ピンインが読めるようになったら次は基礎定着です!ここでのポイントを3つ紹介します。
(1)声調の音の高さをそろえる
文や会話の練習が始まると、おろそかになりがちなのが声調です。そして、上級者でもたまに間違えてしまうのが声調でもあります。
声調自体を間違えてしまうのは仕方ないとして、せめて、声調記号通りに、音をコントロールできるようになりましょう。一番高い音と一番低い音の幅を一定にして話すと、安定して聞こえますので、ぜひ声調も忘れずに大切にしていただけたらと思います。
(2)一文字一文字のスピード(音の長さ)をそろえる
中国語はいわば、日本語と同じように等間隔のリズムです。一文字一文字の音の長さをそろえて、急に早くなったり遅くなったりしないように気を付けましょう。
(3)一つ一つの単語を正確に読む
たかが単語、と思っていませんか?中国語は基本的に単語と単語を並べれば文になり、リエゾンやリンキングはほとんどありません。このため、単語の発音=文の発音の力に直結しやすいです。
単語を正確に読めるようになると、文の骨格がはっきりと聞こえますし、リスニングにも効果があります。二声と三声があいまいだったり、いつも何度か言い直してしまう単語は、機会を見つけて復習しておきましょう!
3.自然な中国語発音に近づける
ここまで来たら、自然な中国語に近づけていきます。
(1)顔と口を動かさない方法を身に付ける
大きく口を動かして正確な発音ができるようになったらそれでOKかというと、そうでもありません。
大きく口や舌を動かしていくと、ナチュラルスピードではどうしても口の形や舌の位置が崩れてしまいます。このままほっておくと「音読では発音OKだけど、会話だと発音がうまくできない」ということになりかねません。
そこで、自然な顔の動きにしつつ、正確な発音をキープする練習が必要となってきます。このような練習方法はあまり手に入らないのですが、ぜひご覧いただきたいのが、SC神戸チャンネルさんの「発音#4【ネイティブらしい発音に寄せる】口角の使い方」です。このような素晴らしい動画を無料で公開していただいているSC神戸さまにこの場を借りてお礼を申し上げます。
先生が口を大きく動かした発音と、口を大きく動かさない発音を順番に見せてくださっています。口を大きく動かしている発音は教科書やモデル録音音声の発音。口を大きく動かさない発音は、まさしく自然なネイティブの発音です。
(2)モデル音声をよく聞き、コピーする
ネイティブの発音はどうしても速いもの。そのスピードについていけるようにするため、まずはよくネイティブの発音を聞きましょう。
教科書のような声調通りに読まれていないところはどこか、どこが早くなってどこが遅くなっているか、じっくりと観察します。
観察が終わったら、真似をしていきます。ぜひご自身の発音を録音して聴いてみましょう。聞いているのは自分だけ。ネイティブとどこが違うのか確認し、近づける努力をしていきましょう!
わたしの悩み
わたしは、ネイティブの真似をするのが苦手でした。スピーチコンテストにも興味がないし、アナウンサーになるわけでもない。お手本音声を完全にコピーする気にもなれない。もやもやした思いを抱えていました。
しかし、悩みの根本は別にありました。二つ挙げます。
高すぎる目標を立てようとしていた
モデル音声付きのテキストは、プロのナレーターが音声を吹き込んでいます。中国語の先生は、「プロの音声を真似してみてください」と何度も勧めてくれましたが、やる気になりませんでした。日本語だって、プロのアナウンサーを真似するには地道なトレーニングを積まなければなりません。私にとって高すぎる目標だったのです。
できないことはやる価値がないと思い込んでいた
「どんなにがんばっても、もうネイティブになれないのに、どうして真似する必要があるのか?」と思っていました。もともと悲観的&現実主義なのです。
しかし、「たとえもうネイティブになれない」とわかっていても、「近づこうとする努力」は無駄にならないはずです。
わたしにとって必要だったのは、「身近な目標」と、「やればできる」という励ましだったのだと気が付きました。基礎を振り返るのも大切ですが、次のステップに進むことも大切です。わたしは、スッキリした気持ちでネイティブのコピーに取り組む、という次の目標を立てることができました。
まとめ
発音の定着方法を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?当たり前のこととお感じの方もいらっしゃったかもしれません。しかし、わたしがそうだったように、悩んでいる本人は意外と自分のことが見えていないものです。基本に立ち戻ること、挑戦することは大切です。そして、迷う方にはそっと支え、背中を押す存在が必要だったりします。
お悩み、モヤモヤがあるというかた、もし、何か私が力になれるようでしたら一緒に解決法を考えますので、ぜひお気軽にお越しくださいませ。
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繰返しになりますが、わたしは基本のステップをおさらいし、さらに自分の気持ちに正直になることで悩みがスッキリ解決できました。ちなみに、発音が目立たなくなったおかげで、語彙や文法など他の部分の問題まだまだ課題はあります。
中国語の総合力を高めながら、これまでわたしが苦労してきた様々な経験を通じてお役に立てるよう、これからも頑張ってまいります!どうぞよろしくお願いいたします。